退職


とうとう離任式の日。退職を決めてからは、意外と冷静に残りの教員生活が送れたように思うけど、離任式の日は号泣だろうなあ、と。
 予感的中。1番バッターでステージに上がり、わたしへのお別れの言葉を言い始めたアヤノちゃんが声をあげて泣き始め、何を言っているのかわからない。ずうっと先生をやってきたけれど教え子をこんなに泣かせたのは最初で最後か。泣きじゃくるアヤノちゃんを前に、この子につらい思いをさせているのが苦しくて情けなくて涙がどっとあふれた。ごめんね、ごめんね、ありがとう、ありがとう、そんなに悲しんでくれるんだ、先生冥利に尽きるよ、これで十分だよ・・・。
 それからが大変、号泣病が次の子から次の子へと伝染し、超しめっぽい離任式となってしまった。(そんな中で、お別れの言葉の代わりにアンパンマンマーチを熱唱しちゃったYasukoさんでしたけどね・・・)
 教室では、子供たちと多くのお母さん方が別れを惜しんでくれた。きれいなお花と、アンパンマンのケーキを下さり、感激。最後に子供たちに伝えた言葉、それは「親より先に死ぬようなことがあっちゃだめだよ、いっぱいいっぱい長生きしなさい」・・・。

 家に帰って、アンパンマンのケーキを見せるとチーとマーは大喜び。つるつるの頭にフォークで髪の毛を描いたり、目玉をちがうところにずらしたりして遊んでから、おいしくいただいた。

 撮っていただいた離任式のビデオを一緒に見る。「ママは、先生やっていたんだよ」って理解してくれるかな?ふと見ると、アヤノちゃんが泣きじゃくっているのを見て、チーの大きい目にも涙がいっぱいたまっている。いっしょうけんめい、目をこすって涙をふくチー。それを見てまた泣ける母・・・。(ビデオで号泣病に感染するなんて、まるで「リング」みたい・・・。)