パールくんが家の子になるまで物語 その9


ばあばには内緒にして、犬を迎える準備が着々と進みました。羽田に着く日まであと1ヶ月。リサイクルショップでケージを買ったり、リードやえさ入れ、ドッグフード、トイレシートなど、買い込みました。ばあばに嘘をついているのがすっきりしないというか、うしろめたい気持ちでしたが。
 話は変わって、我が家では飼い犬に代々「リキ」という名をつけていました。この間亡くなったリキが3代目です。その前に(わたしが小学生だったころ)「大五郎」という犬をかっていたので、犬自体は四匹飼ったことになります。そして5匹目がこれから迎えるサモエドです。どんな名前にしようか、相当悩みました。双子の弟分にしたい、双子の名には「万」「千」がついているのでどうにか「百」を入れた名前にならないものか、とかやっぱり「リキ」という名にしようか、ちょっと洋犬風に「リッキー」か?とか・・・「スノー」「ジョリィ」「ラッキー」などいろいろとあがりましたが、白くて美しい犬を目指して「パール」に決まりました。
 そしてとうとう、9月20日、パールが我が家にきたのです。家族で向かった羽田の貨物専用発着所はお上りさんにはわかりづらく、ぐるぐると3周ぐらいしてようやくたどりつきました。早めに着いたので、待つ時間が長く思われたこと!似たようなバスケットが現れるたびに「パールかな?」とのぞきにいくチーとマー。「ちがう、ダックスだった」「チワワだった」としょんぼり。でもその瞬間はやってきました。えっ、こんな小さなバスケットに入っているんだ、貼ってある書類をはがし、みんなでかごを開けると・・・そこには青い目をした、小さな白いポメラニアンみたいなパールがいました。ああ、こんな小さいのに一人で空を飛んできたんだね、わざわざわたしたちに会いに、一人でやってきたんだね、勝手だねえ、人間って。ごめんね、そのぶん大事にするからね、今日のことは忘れないよ、パール。よろしくね。