続き

(前日より続く)
『本当に大切なものは目には見えない』とサンデグジュペリは言ったけれど、教室という限られた場所で、見えたことだけでわたしはこの子を評価していたんだ・・・。モヤモヤした気持ちは一向に晴れなかった。2年前、成人したその子たちと8年ぶりの同窓会をやったが、アキノリは来なかった。それどころか、中学に入ると不登校になり今もどうしているかわからない、と仲間が心配していた。あの後、わたしがそうだったように、アキノリには誤解されることが多かったんだろうか・・・。
 踊らなかったチーを弁護するわけではない。やるべきことをしっかりやるのは第一だ。「チーちゃん、どうして踊らなかったの?」といってもちゃんとした答えは返ってこない。でも今はしかるのはやめておこう。良いにつけても悪いにつけても、見えたことだけですぐに判断しないように。踊りの好きなチーが、今度は楽しそうに踊るんじゃないか、と信じて。