美しきせせらぎ?


 夏休みが始まってはや1週間。朝から晩まで2人と過ごすともうクタクタの母である。それでも2人で病院ごっこ、幼稚園ごっこをして遊ぶことが多いので台所仕事はどうにかできる。さあ次の家事を、と思うと「センセ〜、このコ、おなかがイタイんです、ミテクダサイ」などと突然病院の先生役をふられたり、「ココにたこやきマントマンのレッドをカイテ〜」などと頼まれたりして、長いこと家事が続かないのが悩み・・・。
 小さい子が、夏が終わって真っ白けの顔というのも何だかねえ、と思い、自分の運動不足解消も兼ねて努めて散歩に出ることにした。いつも出かけ先で冷たいものを飲みたがるので、水筒持参。チーは緑茶が大好きなので「水だし緑茶」を作って入れ、マーは麦茶。2人ともおばあちゃん育ちなのでお茶好きで笑ってしまう。目的地は「せせらぎ公園」、ちょっと遠いので行き帰り歩いていけるか不安もあったが、元気に出発。保育園時代のお友達の家を教えてもらったり、畑のきゅうりがおばけみたいに大きくなっているのを見て笑ったり、こうやってオチビと歩くのも楽しいものだ。ところどころで立ち止まって、水分補給、そしてまたてくてくと歩く。途中の神社の遊具は保育園の時によく遊んだようで、懐かしそうに走って遊んでいた。
 やっとせせらぎ公園に到着。おもしろそうなすべり台を見つけ、2人できゃっきゃっとはしゃぎながらすべりまくっているうちに、マーが転んでひじをすりむいた。泣くか、と思ったけれど周りの子たちの目も気になったのか、ぐっと我慢したようだ。
 すべり台のつぎは、小さな池で水遊び。「せせらぎ公園」という名前の通り、底が石畳になった池と水路があり、子供たちのひざ下ぐらいの水量なので水遊びにはちょうどいい。先に3、4人の子供たちがもう全身びしょぬれになって遊び狂っていた。目を細めて見ているママたち。でもね、よく見ると突当たりの少し深い池には、なにやらいかがわしい大人のエッチな本がプカプカと浮かんでいる。おまけにやぶれたページまで水に混じって浮いたり沈んだりしているのよ。それをだれも拾おうとしないで、子供を遊ばせている・・・。だめねえ、こういうのを見るとムラムラ、じゃなくて、イライラしてきて!どうしてこういう不道徳?な環境をそのままにしているわけ?だれもどけようとしないわけ???ズボンの裾をめくり上げてジャボジャボ入っていきましたよ。本をすくうと、岸の植えこみの根本にポーンと投げてやりました。そして今度は紙くずを拾い集めました。ふと見ると、チーも一生懸命拾いあげているのよ。(あ〜、どうかへんな絵に気づきませんように)と祈りましたわ。本人は全然気がつかないようすで、「ハイ、ママ」とお手伝いがうれしそう、ああ、鈍感な子でよかった。やっときれいになると、ようやく心もはればれしました。
 ひざ下ぐらいの水なのに、なぜか2人ともおしりがぬれてズボンの色が変わっている。あ〜、まあ仕方ないか、着替えも持ってきたし思いきり遊ばせよう、と思ってその通りになったのはいいのだけれど、ドジな母は肝心な下着のパンツを忘れてきたのでありました。帰る時になって、「ごめんごめん、パンツ忘れちゃったから、いきなりこれをはいておくれ」とショートパンツをはかせる母。「ナンカ、スースーする」とぼやくのを聞こえないふりして、帰り道へ。「もうダメだ〜」と何度も立ち止まる2人に「家についたらアイスを食べよ〜」と励ましながらどうにか我が家にたどりついた3人でした。