孫3人

週始めから姪がばあばのところに泊まりこんでいる。妹はプログラマーだが、前にも書いたように病気のため会社を休むことが多く、有給休暇も残り少ないのかお盆もろくに休まずに会社へ行っている。で、我が家のオチビたちは大喜びでばあばの家に入り浸って姪と遊んでいるわけ…。
 「後にも先にも孫3人だねえ」ばあばがつぶやく。母は7人兄弟で育ち、それぞれが近くに住んでいるので、わたしにはいとこがたくさんいる。小さい頃は集まってよく遊んだものだ。それが時を経た今、この子たちは3人。(おまけに女ばかり)これが少子化の現実なんだろうなあ。
 オチビたちは年上の姪のすることにかなり刺激をうけるらしく、一挙一動よ〜く見ているので感心してしまう。3人でお絵描きをしていても、2人とも知らず知らず手を止めて姪のペン先をじっと見ている。そこにかわいいリスが現れると、自分もまねをして尻尾を丸めたリスを描こうとするのだ。夕食後、デザートにカップのゼリーを食べた。姪が先に食べ終わり席を立つ。続いて食べ終わったチーがいつものようにスプーンをテーブルに置こうとしたが、ひょいと姪の食べた後に目をやった。カップのふたをしめた上にきちんと乗せられているスプーン…。チーは急いで自分のカップのふたを閉じると、その上にまっすぐにスプーンを置いた。笑える〜。こうやって、年上の兄弟がいればいろいろな事を体得していくんだろうな。こんな機会に恵まれないなんて、少子化って本当にもったいないよね。
 ところで、いただき物のお菓子をみんなで食べようとして箱をあけると、保冷剤が入っていた。冷たくてやわらかいので気に入ってしまった3人。ばあばが冷凍庫から他の保冷剤も出してくれ、それぞれが手にもってお互いの体にくっつけあって「きゃーきゃー」とふざけていた。マーがはしゃぐので、ばあばがごろ寝してテレビを見ているじいじの方を指さして「じいじにくっつけちゃいな」とささやいた。じいじも聞こえたのか、にやっと笑ってマーが来るのを待ち構えたのだが、くっつけようとしたマーが手をとめてつぶやいた。「もうトシだからヤメテオコウ…」じいじは吹き出し、わたしとばあばもおかしいやらかわいいやらで笑い転げた。おふざけの延長に一線をひいて年老いた人間をいたわるところが何ともいじらしいではないか。心臓がとまっちゃうとどうなるのか、ということがこのごろおぼろげながらわかってきたから気をきかせたんだろう。
 3才の孫に思う存分?いたわられて、マーの頭をなでなでしながらひざにのせるじいじでありました。