大きいことはいいことだ?

 夏期保育の初日、バスから降りたマーが開口一番「クツがきつ〜い」と、へんな歩き方で訴えた。「え〜っ!?」1ヶ月ほどはいていなかった間に足が大きくなっていたのだろう。まだ半年も履いていないからピカピカなのに。しかたなく新しいクツを買うことにした。と、忘れちゃいけない、チーも「チーちゃんもきつい」などと主張するが、ごめんね、チーはマーより1センチ小さいから今度はマーちゃんのはけなくなったコレがちょうどいいはずなの…。こんな調子でチーはずっとマーのおさがりになっていくんだろうか。悔しかったら早く大きくなっておくれ。
 そういえば、この間の朝ご飯の時「チーちゃんがチイサイのはママのせいダカラネ!」などと偉そうにおっしゃった。「えっ?どうして?」本人いわく「ママがチーちゃんのお茶碗に少ししかおごはんを入れない」からだって。まったく何を言ってるんだ、食べるのが遅くて遅くて、いっつも一人だけテーブルに残されてそれでもの〜んびりとごはんの一粒ひとつぶと戯れながら?召し上がっているくせに。あんたにはこのくらいがちょうどいいのよ、と言いたいところだったけれどぐっと我慢。「そうか〜、じゃあこんどからいっぱいにするね」と言って、さっそくその日の夕飯を山盛りにしてやった。「わ、あ…、イッパイ」ちょっとたじろいだのを見逃さない母でしたよ。でも敵もさることながら、終盤はやけくそ?のような勢いで食べきったのでした。なんだ、食べられるんじゃ。と、このままいい調子で食べるかと思ったら、やっぱり波があって…。チーは相変わらず小食のままです。で、おかしいのは2人とも「いっぱい食べると大きくなる」のがリアルタイムでそうなると思っていること。いっぱい食べた、と自信満々の時は「ごちそうさま」をするといそいそと柱の身長計に向かい、変な「キヲツケ」の姿勢をして「ネエ、オオキクナッタ?」と目だけをこちらに向けて聞くのである。こちらもつい「わあ、ほら、大きくなってる!」なんていっちゃうからいけないんだよね、ごめんなさい。
 マーの新しい靴を買った晩、チーがもらうお下がりの靴に上から名前を書いてしまおうかと思ったけれど、まだくっきりとマーの名前が残っているのでかわいそうだなと思い、せめて上から布をかぶせてあげようと裁縫道具を持ち出した母心。これが結構細かい仕事で目が寄り目になってしまった。きっと親の心子知らずでこの靴を履いていくんだろうな…。