マーちゃんの憂鬱


10月8日の運動会に向けて、今週から園では運動会の練習が始まったようだ。どんな練習をするのかなと思いながら朝、体育着を持たせた。
 帰ってくるなり、チーが声をうわずらせて「あのね、きょう、チーちゃんホメラレタ!イチニ、イチニ、がウマイからセンセイがマエにオイデってイッタノ!」と言いながら、玄関のあがり端で元気よく行進をやって見せた。ぴんと伸ばした手が勢いよく上下に振られ、足音もリズミカルで、自信満々の行進である。得意げにそのまま部屋の奥に行進していってしまった。マーは、というとああ、あがり端にこしかけて一人うなだれているわよ。「マーちゃんガンバッタのに、センセイ、言ってクレナカッタノ」と。「そうか〜、がんばったのにね。きっと見ていなかったんだよ。明日見てくれるよ」とはげますと、しょんぼり下を向きながら部屋へ。「じゃあママに見せて!」と何気に言うと、かばんを下ろし、足踏みを始めた。ところがこれが予想外におかしくて、笑いをこらえるのは拷問?だった。
 だいたい、まず交互に手をふれないんだ。そろって上下に手を振り始め、それがだんだんずれて(ずらそうと必死にもがいて)交互のように見えていくんだけれど、手を後の方まで振らずに腰の脇で止めてしまうので、まさに「モンキーダンス歩き」。くじけそうになるマーを相手にいろいろとアドバイスするんだけど、どれも混乱を招くだけのようで…。だって「もっと頭の方まで手を上げて、後ろにふりおろしてごらん。」といったら、交互におでこをたたきながら歩くんだもん。もうだめ〜、大爆笑!の母を見て、その場にうずくまり顔を伏せて「ヤラナイ」と涙をこぼすマーでした。ごめん、ごめん、真剣にやっていたのにね。
 それにしてもマーができないとは。スキップなんか、早くにできるようになって保育園の先生を驚かせたものなのに。「足踏み行進」というのは大人が思う以上に、難しい運動なんだなあと実感。でもチーはなんでいとも簡単にできたんだろう。「ノウテンキ行進」とでも名づけたいほどの楽しい行進であります。
 「足踏み行進」の裏ワザでもないか、これから必死に調べようと決意する母でありました。