TDLデビュー


 幼稚園の運動会の代休が今日だったけれど、運動会は雨のため延期になってしまった。だから本当は通園日。でも我が家では主人も代休になっていたので、前から平日ねらいのTDL行きを決めていた。天気もあまりよくないけれど、計画どおり朝6時半の新幹線に乗ってTDLをめざした。「新幹線は速い!」と言っていたので、乗る前に「シッカリツカマッテいなくちゃダメ?」などと意味不明のことを言っていたオチビたち。きっとジェットコースターを想像していたんだろう。走り出すと「ナ〜ンダ、なんにもハヤクないじゃん」と生意気な口をきいたのであった。朝ごはんのおにぎりをほおばりながら、外の景色を眺め、駅につくたびに「あとスコシでつくの?」と何度も聞く。ようやく東京駅についてから、今度は京葉線のホームに向かって大冒険。大きな駅の人ごみに親も子もちょっと緊張ぎみ。赤いリュックを背負った小さな足の二人が通勤ラッシュの波にのまれながら、どうにか歩き続ける。成長したものだよねえ、と手を引きながらつくづく思う。いくつものエスカレーターにのり移りながらようやくホームに到着、とたん、どの車両もすでに満員御礼の様子でちょっとビビる。「コレって、みんなディズニーランドへ行く人たちなの???うっそ〜、今日は平日でしょ?」この時、信じたくないけれど平日ねらいの計算がハズレたのか、と不安が頭をよぎる。主役のオチビたちがつぶされないようにパパとガードをしながら電車に揺られ、やっと舞浜駅に到着。母はどっと疲れを感じる…ほんと年だよねえ。
 ああ、夢に見た親子での東京ディズニーランド〜、でも何なの?この大勢の人たちは!?まさかみんな、運動会の代休ねらいの人たちではないでしょう。でもどうしてこんなに子供がいるのだ〜?入場ゲートまでの行列がのろのろと進み、「ねえ、マダ?」と見上げて聞くオチビたちに「もう少しで入れるからね」と、この予想外の状況を観察する。どうやら、2学期制の学校の秋休みにもぶつかっているらしい。そうか、そうだったんだ、平日とは名ばかり、「失敗した〜!」と後悔しても始まらない。覚悟を決めてゲートをくぐった。そこは、ハロウィンの季節が色鮮やかに輝くオレンジ色の世界でした〜。
子供たちは暗いところがまだまだ苦手なので、入ることのできるアトラクションは限られている。長い待ち時間も耐えられないだろうと予想し、イッツ・ア・スモールワールドやカントリーベアシアターなどから見始める。船にのってにぎやかな人形の中を通りながら、チーもマーも一生懸命に「あれは〜だ!」と指をさす。どこの遊園地に行っても必ず乗りたがるメリーゴーランドも、ここは規模が違う。何しろ5重の馬の円だもんね。うれしそうに乗っていた。それにしてもすごい人の数だ。ベンチに座り、おやつのお菓子をほおばりながら、すぐのところに見える「空とぶダンボ」に乗りたいと2人で口をそろえて言うがすでに40分待ち。そんなに待てんだろう、とあきらめさせて、蒸気船に乗る。川の両側に見えるインディアンの村やシカの群れを見て驚いたように見えたが、「あれはニンギョウなんだよ」と偉そうにマーがチーに言う。うーん、もうだまされないか。蒸気船から、イカダに乗って島へ渡る人を見たチーは、「あの島に行きたい」とさわぐので、おりるとすぐにイカダに乗り換え、トムソーヤ島へ着く。暗い洞窟やつり橋、迷路になった山の中側がチーはとても気に入った様子ではしゃいでいる。マーがトイレに行きたい、というので2人でトイレへ。用をすませて手を洗っているとマーが「ねえ、ママ」というので「なに?」というと、「マーちゃん、ディズニーランドってもっとタノシイトコロだとオモッテタ…」と手をふきふき言う。「ガ〜ン」母は一気に疲れくらくらしましたよ。ああ、マーちゃん、そんなに楽しくないんだ、かわいそうに…。手を引き、チーのところへ行ってパパに報告すると、パパも苦笑い。そうだよね、自分たちの乗りたいものに乗りたいよね。ということで「ダンボ」のところにつれていきました。なんと待ち時間は「70分」になっていて、待っている家族の列は何重にも。でもがんばりましたよ。70分も待てないだろうという親の不安を裏切って、オチビたちは文句も言わずにお喋りやお菓子のつまみ食いを楽しみながら、どうにか乗りきったのであります。この間、一緒にハイチュウをつまみ食いした母は、上の奥歯につめていた銀歯が見事に抜けまして「食べなきゃよかった〜」と後悔するばかりでありました…。
 午後になり、オチビたちはさすがに歩き疲れたのか睡魔にも襲われて、「おんぶか?」と覚悟をしたものの、パレードの華やかさに目を奪われ、すっきり目覚めて復活しました。とはいえ、こちらも疲れがピーク、残りの気力はお土産選びに残しておかねばならなかったので、ゲート近くのショップ巡りを始めました。こうして夕方にはTDLを後にして帰りの新幹線に乗りこんだのですが、結局家につくまで寝ずにがんばったオチビでした。