めざせ、フリマの達人

 仕事を辞めたらやりたい、と思っていたことがたくさんあったのだけれど、その一つがオチビたちの古着の片付け。時間があるからネットオークションに出品できるだろうと思っていたけれど、写真を撮ったり発送をしたり、という手間はかけられないことがわかった。思った以上に忙しいんだもの。そこで目に付いたのが、市の広報誌に載っていた「フリマフェスティバル」の案内。毎年この時期に大きな会場でやるんだけれど、ブース出店の応募も多いらしく、抽選で当たるかどうか…。と思いながら往復ハガキを出したら、なんと当たって返ってきましたよ。応募者320人中の187人ですから、スゴイよね。わーい。
 ということで、年が明けてからは、売るものを選んだり、値札をつけたり、アイロンをかけたりと大忙しになった。だって、衣類だけですごい数なの。双子だから単純に×2になる数なんだよね。赤ちゃんの時のものは知人に譲ってしまったから、80cm〜95cmのものなんだけれど、どっさりある。それに働いている頃は、面倒をみてあげられない負い目?をイイ服を着せることで償っていたから(へんな親心…)ブランド服ばかり。何でもあり、ファミリア、KP、ELLE、ミニK、ミキハウス、オシュコシュ、Lab’s、ピンクハウスソニアリキエルGAP…。で、アメリカからもかわいい服をかなり取り寄せたからそれもごっそり。でも、お気に入りの何点かは思い出にとっておくことにした。服にもいろんな思いが込められているんだもの。
 値段をつけるのは、迷うよね。何しろ買った時の高値を思い出しちゃうから、どうにかして儲けようという下心が表れてしまう、いかん、いかん。市からのプリントには「新品半額、中古9割引」とアドバイスされていて「げげっ」と絶句。それでもその場のかけひきで下げることを考えれば、少しは高めにつけておかなければね。それにどの服もわりときれいに着せてあるから「古着」とよぶにはもったいない。こうして、衣装ケース3箱分の品物が揃いましたの。あとは靴、使わなくなったオモチャ類、パパからの電化製品の提供?もあってかなりの量になりました。
 187ブースもあると会場への搬入もたいへん。7時半から9時半までの2時間を3タイムにわけてずらしながらの搬入で、わたしは1番の7時半搬入になった。実家の母をお供に連れ、パパの車に積むわ、積むわ、2人分の座席をどうにか確保していざ会場へ。会場入り口でドライブスルーのように受付を済ませ、車ごと中に誘導されると、係の人たちにわーっ取り囲まれ「?」。所定のブースにシートを広げると、その人達がどんどん品物を降ろしてくれるのでした。山のようなお荷物があっというまに放り出され、パパはそのまま車で去っていきました。「さようなら〜、チーとマーをよろしくね〜」… こうやって搬入がスムースに行われていくんだ、と感心感心。
 それから10時の開店までは、あっという間でした。準備が整ったとはいえないうちに、お客さんがおしよせ、大忙し。うれしかったのは「ここのお店、かわいい服ばっかり〜」「わあ、ブランドばっかり、お金持ちなんだ〜」と言われたこと。でもね、ほんとのお金持ちだったら、こんな風にフリマでお店開いたりしないだろうよ。
 「孫がね、もうすぐ生まれるの」と言いながらあれもかわいい、これもかわいい、とごっそり買っていくおばあちゃんが2、3人いました。心待ちにしているんでしょうねえ。
 一方、イヤだったのは、ものすごく値切ろうとするオバハンがいたこと。1つ1つを値切って、さらに合計したのをまた値切ろうとするから、こちらもカチンときてもう値切れない、というと買わずにあっさり帰られました。皆さん、ああいうオバハンにならないように気をつけましょうね。
 結局、優雅にお茶を飲むひまもなくどうにかお昼のお弁当をかき込んで、店にはりついていました。午後になるとパパとオチビたちもやってきましたが、午前中に比べるとお客さんはぐっと減ります。3時を待たずにひきあげるブースもちらほら。
 搬出は車を乗り入れられないので、駐車場まで荷物を運び、大変でした。それでも半分ぐらいは売れたでしょうか。私も母もぐったり…
 帰ってからオチビたちと昼寝をし、そのあと売上を計算したら、それでも四万円ありました。これって上出来だよね。
 今まで、「お古だけどいい?」なんて言いながら、知り合いにあげてきたのだけれど、こうやって「欲しい人に欲しいものを買ってもらう」ことが1番合理的でいいのかな、なんて思うようになりました。幼稚園に入ってからは着る服も買う服も少なくなりましたが、来年までにまだもう少し古着が出そうなので、またフリマを楽しみに計画を立てたいと思います。めざせ、フリマの達人!