「実は、お宅のご主人が…」

 2月14日ですからバレンタインデーの話にしたいんですけどね、それよりおもしろい事件があったので。
 買い物を終えて家の玄関をあけると、ちょうど電話が。駆け込んだのだけれど間に合わず(誰だったんだろう)と思っていると、すぐにまたベルがなりました。
Y:「はい、●■です。」
S:「●■先生のお宅ですか?奥さんですか?それともお母さん?」
Y:「家内です」 
S:「ああ、奥さんですか。わたくし△△高校の教頭の栗田と申します。」
(この時点でもしや?と思いましたよ。だって結婚してからパパの勤務先の教頭先生からわたし あてに電話なんてかかったこと、一度もないもん)
S:「奥さん、実はね、今、2年生の○○○子さんのお父さんと弁護士さんがこちらにみ  えてましてね、ご主人が娘さんにわいせつ行為をした、というんです」
(ああ、やっぱり!振り込め詐欺だ!うちにもかかってくるんだねえ〜とちょっとわくわく?とにかく相手の言い分を聞いてあげようじゃないの、と電話の前に座りこむ。相手はかなり饒舌で声は生き生きとしていますぜ。)
S:「それでね、今、当の●■先生(主人のこと)に確かめてみましたらね、残念なこと  に、事実を認められたんですよ」
(声が全然残念そうじゃないじゃん、おまえ、もっと演技しろよ!この間、わたしは小さな声ではい、はい、というだけ。相手はこちらの反応などおかまいなしにしゃべり続けている)
S:「でね、奥さん、弁護士さんがおっしゃるには、まず警察に届けた方がいい、というんです よ」
  
さて、ここで相手は、
 「えーっ、そ、それは、困りますう、主人は、教員という立場でございますし、ど、どうか内密に、穏便に解決できないでしょうかあっ」
という妻の嘆願する声を聞きたかったのでしょうかねえ。でも、わたしはあっさり

Y:「そうですよねえ、警察に言うのがいいでしょうねえ」
と言っちゃったの。とたんに、電話は「ガチャリ」と切れました。 

後で主人に連絡をすると、笑っていたけれど、これって、主人を信用していないとひっかかっちゃうのでしょうかねえ。信用していても「もしかして魔がさしたのかも?」と思って、妻は取り乱してしまうのでしょうかねえ。とりあえず、新聞の報道や以前勤めていた頃に得ていた情報が頼りになって撃退できたんだけど、やっぱりひっかかってお金を振り込む人が大勢いるんだよね。それで甘い汁をすっているわけだ。ゆるせない。
 今回は「わいせつ行為」だったから「あり得ない」と単純に思ったけれど、複雑な手口だったらわからなかったかもね。でも信じていましたよ、パパ。