パールくんが家の子になるまで物語 その4


「いいかね、おばあちゃんの遺言にしておくよ、『犬は絶対飼わない!』ってね」と言い切るおばあちゃん。そのおばあちゃんに「ねえ、犬飼っていい?」と聞くのさえすごく勇気のいることでした。みんなびくびく。でもどうにか説得しなければ!そこで数々の作戦を考えました。では作戦の予想と結果を「理科の実験バージョン」風に紹介していきましょう。

作戦その1 予想 おばあちゃんのまわりに、子犬の本や雑誌をわざと置いておく。なにげに見て「ああ、かわいい、犬ってやっぱりかわいいねえ」と思わせる。さっそく図書館から犬種図鑑や柴犬の雑誌を借りてきて置いておきましたよ。

結果
「何ちらかしてんの!」「犬?もう関係ない!ポイっ」失敗・・・
考察 多く借りすぎて置いておいたのがいけなかった。ばあばは大のきれい好き、整頓好きであった・・・
ならば作戦その2 予想 茶の間での団らん時に「ポチたま」や「志村どうぶつ園」など、犬が出てくるテレビ番組を選び、意図的に見せる。「ああ、かわいい、犬ってやっぱりかわいいねえ」と思わせる。
結果 「ああ、かわいいねえ」(おっ!?)「でも小さいときだけだよ、あとは世話が大変、リキだってどんなに大変だったか」と、あのときはこうだった、このときはこうだった、と大変だった世話の話に花が咲き、テレビなど見ていなかった。余談だが、昼間NHK・BSで「運命の犬ディロン」の再放送を連続でやっていた。ちょうど仕事が休みだったので私も父母と一緒に見たのだが、私自身の「犬を飼いたい」という気持ちがこのドラマで強く大きくなってしまった。
考察 ばあばの中ではリキの介護が大変だったことが強く思い出されるのだろう。介護をつらいとも思わず最後まで一生懸命に世話をし、19年も長生きさせて天寿を全うさせたことで「犬を飼う」という一つの大きな物語が終わってしまっているのだ。・・・もうだめか?