パールくんが家の子になるまで物語 その7


 苦労は多いけれど、それでもそれ以上に得るものが私にも双子にもそして、いずれじいじばあばにもあるに違いない!やっぱり家族をふやそうよ、ということでYasuko 一家は強行手段にふみきったのでございます。
さて、どの犬にしようか?「犬は外で飼うもの」と思い込んでいたし、新築したばかりの家の中を犬に走り回られたら困る、リキの面影を残す柴犬だったら外でも飼えるな、と思っていました。雑種の子犬を探して市で開かれる里親募集の会にも足を運びましたが、猫ばかり。最近では子犬はめったに出されないということでした。
そんな時、ばあばの居間におきっぱなしになっていた「子犬の図鑑」(山と渓谷社 監修今泉忠明 )を双子が見て「この子犬かわいい」「こっちの方がかわいい」などとおしゃべりをしていました。するとばあばが「どう、見せてみな」とのぞき込んだのです。すかさずマーが「ねえばあば、飼わないけどさ、飼わないけどもし今度飼うとしたら、もし、だよ、どの犬がいい?」と聞きました。機嫌がよかった?ばあばは、「うん、飼わないさ。見るだけね、どれがいいかね〜」といいながらページをめくって・・・。さて、この図鑑には105犬種の親子が大きな写真で載せられており、眺めるだけでも癒されるよくできた図鑑なのです。親子を写真におさめるということで、完成までにかなりの年月が必要だったと聞きました。犬好きのみなさま、是非ごらんあれ。(中学校図書館にも入れました。女の子が友達同士でよく見ています)
ページも後半部分に突入したとき、ばあばが「これ!」と開ききって見せました。「ほら、真っ白で上品、このカワイイ顔、リキちゃんにもにているよね・・・」それは「サモエド」でした。初めて聞く名前です。でもほんと、かわいい!小犬も親犬も!解説を読むうちにこちらがサモエドのとりこになってしまいました。
サモエド ロシア原産 
純白のテディベアはまさに天使からの贈りもの。生まれながらの性格も見かけもそのまま。可愛さに賞味期限などないが、最高に可愛いのは、1か月から2か月半ごろである。サモエドスマイル 子犬も成犬も、微笑んでいるような顔。この犬を前にすると、思わずこちらもにっこりしてしまう。これがサモエドマジックだ。口角が少し上がっているので、前から見ると微笑んでいるように見える。愛称はサミィ、またはサム。子犬はもちろん成犬も「とにかく人なつこい」と飼い主は口をそろえる。個体差はあるが、「初対面の人にも甘えるし、可愛がられようとする。誰にでもついていきそうな感じ」だという。この微笑み顔で甘えられたら、こちらもついつい善人になってしまい、しかめっ面も思わずゆるむだろう。「細かいことは気にしない。あっけらかんとした性格」に飼い主の心もいやされる。』